10月29日「施設をイメージするワークショップ」を開催しました
トッカビでは、休眠預金活用事業として進めている「公営住宅を活用した外国人居住者との多文化共生モデルの構築」に向けて、2025年10月29日、地域の関係者が集まり、これからつくろうとしている居場所を具体的に思い描くための
**「施設をイメージするワークショップ」**を開催しました。
これまで、
- 7月からの小中学校・地域福祉委員会への事前ヒアリング
- 8〜9月にかけての団地居住者へのききとり調査
を通して、さまざまな声を集めてきました。
今回のワークショップは、そうした声をふまえ、
**「では、どんな場をつくっていくのか」**を、関係者自身の言葉とイメージで共有することを目的にしたものです。
ワークショップの概要
- 日時:2025年10月29日
- テーマ:施設をイメージする
- 参加者:地域で活動する団体関係者、支援者など
- 目的:
- 多文化の居場所として、どんな機能や雰囲気が必要かを共有する
- 実際の施設活用を具体的に思い描く
ファシリテーションには、これまでのヒアリングやロジックモデルを踏まえつつ、
参加者一人ひとりの声が出やすい進行を意識しました。
ワークショップの進め方
当日は、大きく次の流れで進めました。
① 趣旨共有・チェックイン
まずは、この事業の背景や、これまでに集まってきた声を簡単に共有し、
「今日は一緒に、これからの居場所を考える日です」という目的を確認しました。
あわせて、参加者それぞれが
- 自己紹介
- 「自分が好きな居場所」
を共有するチェックインを行い、
リラックスした雰囲気の中で対話が始まるようにしました。
② 「多文化の居場所」としての考え方を共有する
当日は、居場所の名称を検討する時間は設けず、
あらかじめ**「多文化の居場所」**として参加者にお知らせした上で、
- どんな人が来られる場所にしたいか
- どんな関わり方ができるとよいか
といった視点を中心に話し合いました。
「相談できる」「ふらっと立ち寄れる」「多世代」「静かに過ごせる時間も大事」など、
これまでのヒアリングと重なるキーワードが、自然と多く出てきたのが印象的でした。
③ 施設の使い方をイメージする
後半では、実際の図面を用いながら、グループに分かれて
- あったらいい設備やもの
- やってみたい使い方
- 気になる点や懸念
を付箋に書き出し、貼りながら共有していきました。
話し合いの中では、**一つの用途に固定しない「可変的な空間」**であることが重視されました。たとえば、
- 可動式の机やパーテーションを使い、
- 普段は学習・相談・交流が同時に行える空間に
- イベント時には大きな一室として使えるようにする
- 相談は半個室的に区切りつつ、完全に閉じないことで安心感を保つ
- 子どもスペースは、周囲の大人の目が自然に届く配置にする
といった具体的なイメージが共有されました。
あわせて、バリアフリーやアクセシビリティへの配慮も重要な視点として挙げられ、
- 出入口や室内の段差をできるだけ解消すること
- 車いす利用者が使える機能を1階にも確保すること
- トイレは洋式化・使いやすさを重視すること
など、開設初期から意識すべき点が確認されました。
ワークショップで確認された大切な視点
今回のワークショップでは、空間や設備の話題だけでなく、
**「どんな姿勢でこの居場所を運営していくのか」**という点についても、参加者の間で多くの共通認識が生まれました。
特に共有されたのは、次のような視点です。
- 特別な人だけの場所にしない
- 困りごとがなくても立ち寄れる
- 日本人/外国人といった区別を前面に出さない
- 初めて来る人の不安を下げる工夫(見えやすさ、声をかけやすい雰囲気)を大切にする
また、言語の壁を下げるために、
- 通訳が入る日をあらかじめ設定する
- 日本語が話せる外国人住民が関われる仕組みをつくる
といった運営面での具体的なアイデアも出されました。
この居場所は「支援の場」であると同時に、
日常の延長として存在する場所であることが大切だ、という点が、何度も言葉にされました。
名称について(補足)
このワークショップの時点では、居場所の名称はあえて決めず、
機能や雰囲気のイメージを共有することを優先しました。
その後、取り組みの内容をまとめたニュースペーパーを作成する中で、
この居場所を**「YORIDOKORO(よりどころ)」**と呼ぶことにしました。
誰かにとっての特別な支援拠点というよりも、
困ったときも、そうでないときも立ち寄れる「よりどころ」でありたい、
という思いを込めています。
なお、この**「YORIDOKORO」も現時点では仮の呼び名**です。
今後は、実際にこの居場所に関わっていく利用者・参加者の声も大切にしながら、
この場所にふさわしい名前を一緒に考え、決めていきたいと考えています。
次に向けて
10月29日のワークショップは、
「居場所をつくる」という取り組みを、
具体的な空間・設備・運営のイメージとして共有し始める大切な一歩となりました。
ワークショップで出された意見は、
- バリアフリー導線
- フリーWi-Fiや共用PCなどの情報環境
- 相談・学習・交流を切り替えられる可変レイアウト
- 通訳体制や情報提供のあり方
といった観点から整理し、
今後は「やりたいことリスト」として優先順位をつけながら、
段階的に実現していくことを想定しています。
トッカビでは、完成形を一気につくるのではなく、
実際に使いながら、声を聞き、少しずつ改善を重ねていく形で、
この居場所を育てていきたいと考えています。
引き続き、このサイトで、
居場所づくりのプロセスを丁寧に報告していきます。


