【開催報告】2025年度 NPOトッカビ会員総会を開催しました

2025年6月13日(金)、NPOトッカビの2025年度会員総会を開催しました。当日は対面ならびにオンラインで行い、2024年度の活動報告と2025年度の方針について活発な議論を行いました。

代表理事あいさつ「ともに生きる社会をつくるために」

総会は、朴洋幸(ぱくやんへん)代表理事からのあいさつからはじまりました。2024年末の在留外国人数が過去最多の349万人を超え、八尾市でも外国籍住民が9,000人を超える中、差別や排除の現実に向き合うことの重要性を述べました。

特に、あるビジネスホテルで在日コリアンの宿泊者が民族名を理由に宿泊を拒否された差別にふれ、「歴史は過去ではなく現在に続いている」と指摘。過去の出来事を知ること、声なき声に耳を傾けることが、いまを生きる私たちの責任であると呼びかけました。

また、昨年の発足50周年をふり返り、「どんなに社会が変化しても、『ともに生きる社会をつくる』という私たちの願いは変わらない」と語り、今後も反差別・人権の視点を大切にしながら活動を続けていく決意を述べました。

2024年度活動報告

2024年度は主に以下の事業を行いました。

  • 異文化ルーツの人たちに対する支援事業:外国人市民相談事業のほか、ルーツ語教室や学習支援、日本語教室の運営など、子どもを中心としたサポートを展開。
  • 助成金を活用した事業:民間助成団体等の助成金を活用した子ども会活動や人材育成事業。
  • 異文化ルーツの人たちとの交流事業:八尾国際交流野遊祭の開催や学習講座を通じて、相互理解を育む機会を提供。
  • 発足50周年記念事業:冊子の発行や記念イベントなどを行い、これまでの歩みを振り返りました。

また、財政面でもさまざまなとりくみをすすめ、2024年度は黒字決算となりました。

2025年度の方針と予算

今年度は、これまでの活動を継続しながら、新たに「ひと・まち・げんき助成事業」などの新規事業をスタートします。特に公営住宅を拠点とした外国人居住者との共生モデルづくりは、今後3年間にわたる重点事業として取り組みます。

また、オンライン決済システムの導入により、会費や寄付の納入手続きがよりスムーズに行えるようにしました。

学習会「ある在日コリアン女性の個人史から学ぶ」

総会後には、在日コリアン三世の金サランさんをお招きし、自身の人生を語っていただく学習会を行いました。自身のルーツを知ったときの葛藤、日本名で生きてきた父との対話、職場で名のりを変える決意、住まい探しで直面した差別など、一つひとつの経験が静かに私たちに問いかけました。「私は私として、誰にも否定されずに生きていたい」という言葉には、強い覚悟と優しさがにじみ、多くの参加者の心を揺さぶりました。地域にルーツを肯定できる場があることの大切さを、改めて実感する機会となりました。

朝鮮新報においていくつか執筆されています
https://chosonsinbo.com/jp/2024/03/08-114/


地域の中で、外国にルーツをもつ人々が安心して暮らせるよう、今後もトッカビは様々な角度から支援とつながりの場をつくってまいります。

ご参加のみなさま、ありがとうございました!

引き続き、皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。