【開催報告】映画「終わらない戦争」

2025年11月29日(土)の第1回映画上映会『終わらない戦争』には、
約30名の方にご参加いただきました。
お越しいただいた皆さま、本当にありがとうございました。

上映後、司会が涙をこらえきれず、言葉が出なくなる場面もありました。
作品に込められた被害者の方々の声は、静かでありながら心に深く刺さるものでした。


🎬 映画が投げかけた問い

映画の中では、
「日本政府が戦争責任を認めて謝罪することは、世界の平和につながる」という指摘がありました。
一方で、学校教育や教科書の中で戦争責任の記述が十分になされず、
むしろ触れられない方向に進んでいるのではないか、という問題提起も映し出されていました。

被害者が沈黙を強いられてきた歴史、
謝罪されないまま人生を終えていく現実、
そして「戦争はまだ終わっていない」という言葉。
観る者に重い問いを投げかける作品でした。


💬 交流会で語られたこと

上映後の小グループでの対話では、参加者から多くの声が寄せられました。

  • この問題を知らない人があまりに多い。アニメなど様々な手法で伝えていく必要がある。
  • 被害者が「戦後もずっと言えなかった」という事実に胸が痛む。戦争は終わっていない。
  • 日本の平和教育は、被害者としての視点が中心で、加害の視点が欠けているのではないか。
  • 戦争を「軍部だけが悪い」とし、国民の責任を曖昧にする風潮がある。
  • 外国人へのヘイトが煽られ、戦争の空気に近づいている危機感を覚える。
  • 慰安婦問題は日韓だけの問題ではなく、13カ国の多様な女性が被害に遭ったことを学んだ。
  • 「今さら」という社会の態度によって、被害者の傷がさらにえぐられてしまう。
  • 若い世代が歴史を学ぶ機会が減り、歴史修正主義が強まっていることへの不安。
  • 「ナヌムの家」での経験を語りつつ、謝罪と歴史をつなげて考えられない日本社会への違和感。
  • 今の私たちが同じ過ちを繰り返さないために、学び続けることの大切さ。
  • 被害者が生きている間に謝罪がされなかったことへの強い問題意識。

世代も背景も異なる参加者同士ですが、
「歴史に向き合い、語り継ぐ必要性」について深い共通認識が育まれた時間でした。


🌱 トッカビとして感じたこと

今回の上映会は、戦後補償や歴史問題に取り組む方、
被害者へのインタビュー経験者など、これまで出会えなかった人たちとの新たなつながりが生まれた場でもありました。

被害者の方々が高齢化し、記録された声だけが残されていく中で、
DVD上映をはじめとした「語り継ぐ取り組み」を続けることの大切さを
あらためて共有できたことは大きな意味があったと感じています。

全国で小さくとも同じ取り組みが広がっています。
つながり合えれば、必ず大きなうねりへと変わっていけるはずです。

平和を維持するためにもっとも必要なのは、
戦争の事実を学び、語り継ぎ続けること。

今日の上映会が、その一歩になっていれば嬉しく思います。


▶ 次回予告

2026年1月31日(土)
第2回上映会『在日の戦後補償 ― 鄭商根さんの場合 ―』

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