2005年8月30日31日 アイヌ文化連続講座in八尾~イラムカラプテ~

 2005年8月30日・31日、
アイヌ文化連続講座in八尾~イラムカラプテ~を、
大阪府在日外国人教育研究協議会、
八尾市在日外国人教育研究会、
トッカビ子ども会の共催で開催しました。

イラムカラプテとは、アイヌ語で「こんにちは」ということ。

主に教育関係者の参加が多く、
夏休みで、子どもの参加もありました。

アイヌの歴史と文化を学ぶ〜1日目

1日目、
午前中は北海道ウタリ協会副理事長の秋辺得平さんから、
アイヌの歴史と文化について学びました。

あいさつとともに柔和な笑顔になり、
単に時代状況を順追って説明するのではなく、
関西文化とのつながりやアイヌの人たちの考え方等をまじえて、
アイヌ文 化の起こりから、
同化と排外の歴史について話してくれました。 

午後からは、伝統楽器の一つである、
口琴、口琵琶ともよばれている「ムックリ」という楽器を製作し、
鳴らしてみるワークショップを行いました。

ムックリ は長さ10~15㎝の薄い板状のもので、
中央が舌状にくり抜かれ、
両端に糸が付けられています。

参加者は一枚の竹板を渡され、
彫刻刀で周りの形と舌状のくり抜き作業を行いました。

舌状のところは糸を引っ張って振動させるため、
竹を薄くしなければならず、
この薄さをつくるのに苦労していました。

ムックリは口 元にあてて鳴らすものですが、
簡単そうでなかなかうまく音がでず、
四苦八苦していました。

ムックリのような口琴は、
台湾の原住民や北方圏の少数民族など
世界各地にあるようで、
その源流がどこにあるのか興味深いものでした。

トンコリの演奏〜2日目

北海道ウタリ協会釧路支部事務局長の上野千枝子さん、
伊藤夕美さんの「トンコリ」の演奏です。

トンコリは主にサハリンアイヌが使用した琴状の 楽器。

長さは70~150㎝で基本は5弦です。

トンコリは博物館の保管用しか現存せず、
今あるのは、
長い年月をかけて秋辺さんたちが復元したものだそ うです。

しかし、復元したとしても弾き方がわからず、
方々を探したところ、
口承文化のため楽譜はないのですが、
それを楽譜におきかえて残していた研究者がい たそうです。

消えかけようとしていた伝統文化を残そうとする
秋辺さんたちの強い思いを感じました。

さて、当日はトンコリの演奏を鑑賞した後、
なんとチャング演奏とのコラボレーションが即興で行われました。

秋辺さんたちは、
11月18日に行われる 「ヒューマンプラザINやお」に、
「アイヌ ネノ アン アイヌ(人間らしくある人間」というテーマで、
アイヌのお話と伝統楽器演奏と踊りを披露してくれるために来阪されます。

なんとそこでチャング演奏とのコラ ボレーションを
もう一度実現してくれることになりました。

このような共演は初めてのことのようです。

ウタリ協会からアイヌ協会へ

2009年に、ウタリ協会はアイヌ協会へと名称を変更したそうです。

  今年4月1日北海道ウタリ協会が北海道アイヌ協会へと名称を変更しました。人間という意味で、民族名でもあるアイヌですが、差別の目を避けるために、ウタリ(同胞)へと変えざるを得なかったときから約半世紀。いま再びアイヌの名をよみがえらせたのです。その意義やこれからの課題について加藤忠理事長などから聞きました。

http://kamuimintara.net/detail.php?rskey=147200905t01

現在も、日々活動を続けておられます。

講演会など企画の際はぜひ連絡をとってみてはいかがでしょうか。

公益社団法人 北海道アイヌ協会

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